「あの人はパーソナリティ障害かもしれない。」「私の生きづらさはいったい何なの?」
世の中には、偏った思考や行動により、人間関係や社会生活がうまくいかない人が一定数います。
そもそもパーソナリティ障害とはいったい何なのでしょうか?
そして、どんな種類があるのでしょうか?
この記事では、パーソナリティ障害の種類や特徴、原因などについて徹底解説していこうと思います。
✔︎パーソナリティ障害とは?
✔︎何が原因でパーソナリティ障害になってしまうの?
✔︎パーソナリティ障害の種類とそれぞれの特徴
パーソナリティ障害とは?
パーソナリティ障害とは、普通の人と違った考えや行動により、本人が苦痛を感じたり周囲を困らせたりしてしまう状態のことを言います。
しかし、パーソナリティ障害と言われる様々な特徴を見て「こういう性格の人って結構いない?」「こういう人は全員パーソナリティ障害なの?」と疑問に思う人も多いはず。
パーソナリティ障害の特徴は、一般の人の性格の傾向とも似ています。
では、ただの性格とパーソナリティ障害では何が違うのでしょうか?
それは、それにより本人が苦痛を感じているか、周囲が困っているか、社会生活に支障が生じているかなどが診断ポイントだとされています。
fa-arrow-circle-rightパーソナリティ障害とは?まとめ
一般の人の性格の傾向と比べて、極端で著しく偏ったパーソナリティの傾向であり、それによって本人も周囲の人も困っている状態のこと
どうしてパーソナリティ障害になるの?(3つの原因)
パーソナリティ障害になってしまう原因としては主に3つのものが挙げられます。
それが以下の通り。
1.遺伝的要因
2.家庭や家族環境によるもの
3.発達障害のケースもある
■遺伝的な要因
諸説ありますが、本人が生まれ持った気質が関係しているのではないかと言われています。
■家庭や家族環境によるもの
こちらは家庭環境や主に親からの影響。
親との基本的信頼関係や愛着を築けなかった子が「自己愛」を持てずに、このようなパーソナリティを形成してしまうと考えられています。
■発達障害の可能性
パーソナリティ障害の中には、稀に発達障害が隠れているケースもあると言われています。
パーソナリティ障害の種類と特徴
では、パーソナリティ障害にはどのようのものがあるのでしょうか。
パーソナリティ障害は、大きく3つのカテゴリー(A群・B群・C群)と10種類の障害に分類されます。
A群・奇妙で風変りに見える人たち
✔ 独特の考え方や行動
✔ 基本的に不安定
✔ 非現実的な思考に囚われやすい
■猜疑性(妄想性)パーソナリティ障害
周囲の人への不信感が強く、「自分は騙されている」という考えに陥りがち
✔ 他者に対する不信感や猜疑心が異常に強い
✔ 過度な秘密主義
✔ 警戒心がとても強い
✔ 誰も信じられない状態
■シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害
1人を好み無欲で孤独。他者への関心の欠如
✔ 他人に興味が無い
✔ 周囲からの評価も気にならない
✔ 感情表現も乏しく周囲からは冷淡と思われがち
✔ 非常に傷つきやすい
■統合失調型パーソナリティ障害
独特の思考と行動・マイペースな変わり者
✔ 様々な思考が浮かび上がり、現実から離れてしまいがち
✔ 独り言や思い出し笑いをする
✔ 人目を気にせず変わった人という雰囲気
✔ ドーパミンが過剰なため常に興奮気味
B群・演技的で感情の起伏が激しい人たち
✔ 感情的で衝動的、気分変動
✔ 自己顕示性が強い
✔ 周囲の人を操作する傾向
✔ 他者を巻き込みやすい特徴
■反社会性パーソナリティ障害(サイコパス)
復讐性が強く、良心や罪悪感の欠如
✔ 良心の欠如、他者を騙し傷つける
✔ 他者の利益を搾取する
✔ ルールに無頓着で罪悪感が無い
✔ 復讐心が強い
■境界性パーソナリティ障害
制御不能の感情・愛される事に異常に執着する
✔ 見捨てられる不安が強く不安定
✔ 些細な事で幻滅するなど、他者への評価が瞬時に入れ替わる
✔ 愛情と関心を異常に求める
✔ 気分の抑揚が激しく、激情的な行動をとる
■演技性パーソナリティ障害
嘘をついてでも注目されたい!主人公を演じる
✔ 他人から注目されない自分には価値が無いと思っている
✔ 特に異性からの注目を求める
✔ 注目を集めるためには嘘も言うため虚言壁と思われている事も
✔ 外見や流行にこだわる、オーバーリアクションなども
■自己愛性パーソナリティ障害
「私を評価して!」自分への称賛を異常に求める
✔ 自分は特別な存在だと称賛を求める
✔ 他者への共感性が低い
✔ 劣等感が強いため、非難には過敏に反応する
✔ 周囲の人を利用価値があるかで判断する
C群・不安感が強く他者に依存しがちな人たち
✔ 不安や恐怖心が過度に強い
✔ 他人を優先し自分を後回しにする
✔ 穏やかな印象で異常性は目立たない
■回避性パーソナリティ障害
傷つくのを恐れて否定的。自己評価の低い消極派
✔ 傷つく事に極度に敏感で耐えられない
✔ 目立つのが嫌で重要な仕事を断るなど社会への関りが消極的
✔ 傷つく事や不安を避けるために他人や現実と距離を取る
✔ 自分は人に好かれないと思い込み、自己評価が低い
■依存性パーソナリティ障害
優柔不断で決められない!常に近い人に依存
✔ 判断や決断ができず常に他人に依存する
✔ 自分で決められないから依存する「幼児型」と、自己犠牲的に尽くす「献身型」と2タイプある
✔ DV夫の被害から逃げられないケースなどが、これに該当する
✔ 不安感が強く自己評価が低い、簡単に人を信用する
■強迫性パーソナリティ障害
几帳面で融通の利かない完璧主義
✔ 自分の中の独自ルールがあり、徹底して守り融通が利かない
✔ 他人に厳しい態度をとることもあるため、対人関係に支障をきたす
✔ 努力は報われるという強い信念を持つ
✔ 人間関係や仕事、物や環境までも捨てる事ができない
まとめ(パーソナリティ障害の種類や原因)
今回は、パーソナリティ障害の特徴を詳しく紹介しました。
種類や特徴はさまざまですが、パーソナリティ障害の人々は生きづらさを抱えて生きています。
このような人格が形成されたのも、家庭環境や過去に深く影響があります。
生育環境で身につけた「生きづらさ」を補うために、こういった行動や思考に偏る事で自分を守ってきた人々です。
こう言うと一見、かわいそうにも思えますが、近くにいると迷惑や被害を受けてしまいます。
距離を取るのが一番です。
距離を取れない身近な関係であれば、一度専門の病院やカウンセリングに連れて行き、適切な治療を受ける事をおすすめします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。