「グリーフサイクル(悲嘆のプロセス)」って知っていますか?
人は受け入れがたい事実に直面した時に、グリーフサイクルの過程を経て立ち直っていくと言われています。
つまり、どんなに辛い事があっても必ず時が解決してくれるという事。
受け入れるまでの経過を知っていれば、自分が今どの状態にいるのか客観的に把握できるため、少し心が楽になります。
辛い事に直面している人は是非読んでみてください。
グリーフサイクル(悲嘆のプロセス)とは?
大切な人の死やペットの死など、受け入れがたい事実に直面した時に、人は「グリーフサイクル」をたどって事実を受容すると言われています。
この考えは、末期がん患者のカウンセリングを行っていた精神科医のキューブラ・ロスにより提示されたものが元となっています。
キューブラー・ロスは末期がん患者が自分の「死」を受け入れる過程を否認、怒り、取引、抑うつ、受容の5段階で表しました。
さらにその後、このキューブラー・ロスの考えを元に精神科医の平山正実氏により「大切な人の死を受け入れる悲嘆のプロセス4段階説」として提示されました。
今回は「自分の死の受容」ではなく「受け入れがたい事実の受容」になるので、こちらの「悲嘆のプロセス4段階説」について詳しく解説していきたいと思います。
- 第1段階:ショック(ストレス)
- 第2段階:怒り
- 第3段階:抑うつ(承認)
- 第4段階:受容
段階ごとに順にご説明致します。
第1段階 ショック(ストレス)
第1段階はショックです。
「頭が真っ白」「もう何も考えられない」「嘘だ!そんな信じられない!」こんな感情です。
この段階では、冷静に考える事は不可能です。喪失の衝撃が大きく、茫然としてしまいます。
また、ボーっと無感覚になってしまう人も多く、受け入れがたい事実の話題を避けたり、仕事に集中するようにもなります。
fa-check-circle涙も出ない
fa-check-circle感情が沸かない
fa-check-circle何も考える事ができない
fa-check-circle混乱状態で頭が回らない
fa-check-circle集中できない
fa-check-circle簡単な日常生活すら支障をきたす
第2段階 怒り
第2段階は怒りです。
受け入れがたい事実を理解しはじめますが、受け止める事はまだできないため感情が不安定になります。
泣いたり怒ったり感情が激しく爆発します。
「あのときこうしていれば」「あの人がこうしなければ、こうはならなかった」と後悔や罪の意識が強く現れます。
怒りの段階は、心の痛みを強く感じるフェーズです。
fa-check-circle悲しみや怒りなどの感情
fa-check-circle責任転嫁や罪悪感などの罪の意識
fa-check-circle周囲の人や自分を責める
fa-check-circle思い出にふけり現実を認める事ができない
空想と現実の区別がつかない
第3段階 抑うつ(承認)
次は抑うつ段階に入ります。
このフェーズでは、事実を受け入れた事により、生きていく事に価値を見出せず無気力な状態になります。
鬱状態、食欲不振、判断力の低下などを招きます。
fa-check-circle絶望感・空虚感
fa-check-circle鬱状態・無表情
fa-check-circleあらゆるものの関心を失う
fa-check-circle自分は価値のない人間だと思う
外出せず引きこもる
ここから事実を受け入れてきています。
第4段階 受容(立ち直り・適応と変化)
第4段階は受容です。
ここまで来れば大丈夫。人は立ち直りへと向かいます。
事実を受け入れるようになり、物事を肯定的に考えられるようになります。
他人や社会に対しても積極的にかかわり、周囲との関係を大切にしようと思えます。
ここから、いきいきと生活ができるように変わっていきます。
fa-check-circle活力が湧いてくる
fa-check-circle新しい希望を持つことができる
fa-check-circle周囲の人や社会と積極的関わろうとする
fa-check-circle現実を認められるようになる
立ち直る過程を知れば心が楽に(必ず時が解決してくれる)
大切な人やペットの「死」、自身の病気など。
受け入れがたい事実に直面すると人はパニック状態に陥ります。
期間に個人差はありますが、そのパニック状態からさまざまな段階を経て必ず立ち直る事ができる!と、このプロセスが証明してくれているのです。
それは、死に向かう末期がん患者にも見られる思考の過程なんです。
死に向かう人もグリーフサイクルを経て最後は心穏やかな気持ちへと到達するんですね。
今辛いことに直面している人は、このグリーフサイクルを経ていつかは心穏やかな気持ちになると頭の隅に入れておいてください。
こういった過程があると知っているだけでも、心が軽くなりますよね。
まとめ(グリーフサイクル/悲観のプロセス)
いかがでしたでしょうか。
① 大きな喪失体験をすると人はグリーフサイクルという過程を経て立ち直る事ができる
② グリーフサイクルは、ショック→怒り→抑うつ→受容と4段階で構成される
③ 辛い出来事に直面していても、いつかは心穏やかな時が訪れる・時が解決してくれると信じて今を生きましょう
グリーフサイクルについて詳しくしりたい人は、キューブラー・ロスのベストセラー「死ぬ瞬間」をオススメします。
精神科医であるキューブラー・ロスは、長年、末期がん患者が自分の「死」を受け入れるまでのプロセスを近くで見てきました。
人生観が高まると評判なので、気になる方は是非読んでみてくださいね。